修学院離宮の西側正面、山荘の導入部に位置する下離宮には、御輿寄(おこしよせ)を備える寿月観を配置して、上皇の御幸(みゆき)を迎えました。寿月観は下離宮の創建当初より存在しましたが、現在の建物は文政7年(1824)に再興されたものです。かつて下離宮には、二階建ての楼閣「彎曲閣(わんきょくかく)」、寿月観に続く「蔵六庵(ぞうろくあん)」、及び御清所(おきよどころ)などの附属施設もありましたが、現在は寿月観のみ残されています。