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園林堂 おんりんどう

土地
桂離宮
種別
建物
時代・年代江戸時代前期
建築年
構造及び形式木造瓦葺平屋

 園林堂は桂離宮南側、賞花亭(しょうかてい)から苑路を下った先にあり、八条宮(桂宮)二代智忠(としただ)親王によって創建されたと伝えられています。桂離宮で唯一の本瓦葺の建物で、持仏堂(じぶつどう)としての品位を保ちながらも、杮葺(こけらぶき)の御殿と同様に屋根をわずかに(むく)らせて(ふくらみを持たせて)、柔らかな雰囲気が表現されています。また、建物正面には優雅な曲線を描く唐破風(からはふ)向拝(こうはい)(建物中央の張り出した部分で礼拝をするところ)を付け、後水尾(ごみずのお)上皇の宸筆である「園林堂」の額が掲げられています。また、賞花亭から参観経路に沿って進んでいくと、苑路の飛石が園林堂の前で、それまでの自然石から方形の切石に変わり、持仏堂としての性格を感じ取ることができます。御殿や茶屋とは趣を異にしながらも庭園内で見事に調和するその姿には繊細な工夫が用いられているのです。