紫宸殿では、即位の礼、天皇と皇太子の元服(げんぷく)、立后(りつごう)・立太子(りったいし)、節会(せちえ)などの儀式が行われました。御殿だけでなく正面にある南庭(だんてい)やそれを取り囲む回廊(かいろう)や諸門なども含めて式場として用いられ、南庭(だんてい)では臨時に設けられた大嘗宮(だいじょうきゅう)に天皇が出御(しゅつぎょ)する大嘗祭(だいじょうさい)も行われました。即位の礼は平安宮大内裏の朝堂院(ちょうどういん)(八省院(はっしょういん))正殿の大極殿、大嘗祭はその南の朝庭で行われていましたが、近世には朝堂院が存在しなかったため、紫宸殿と南庭がその代わりとされ、寛政度造営以後の回廊や門には、朝堂院の形式も取り入れられています。