内裏図でたどる京都御所の歴史
京都御所は、平安京の宮殿建築の様式を今に伝えるとともに、明治2年(1869)まで、歴代の天皇のお住まいとして、日本の雅やかな宮廷文化が脈々と継承されてきた場所です。
しかし、その歴史は平坦なものではありませんでした。内裏は、度重なる火災などにより大内裏の外に移転し、京中の様々な邸宅を里内裏としましたが、元弘元年(1331)に現在の地に定着してからも、再三の火災に見舞われます。
さらに、幕末の安政2年(1855)に造営された現在の京都御所も、明治維新による東京遷都後の荒廃、第二次世界大戦による大規模な建物疎開という苦難の時期がありました。京都御所は、永きにわたる多くの人々の尽力により、幾度もの危機を乗り越えて、今に伝えられているのです。
ここでは、宮内庁所蔵の資料を活用し、平安時代から現代に至る内裏の変遷を紹介していきます。今後も随時コンテンツを追加していく予定です。
ビューアのスライダーパネルをクリックして、絵図表示のスライダーを動かすことで、安政2年(1855)造営時の内裏図面(宮内庁書陵部蔵)と現在の京都御所の画像を重ねて比較することができます。