中国の夏(か)の時代,時の皇帝禹王(うおう)は,儀狄(ぎてき)という酒造りから献上されるお酒が大変美味であったため,酒は祭祀(さいし)や宴饗(えんきょう)に必須のものではあるが,飲み過ぎれば疫病は避けられず,やがては国を滅ぼすと考え,お酒を禁じて儀狄を遠ざけたという故事を画いたものです。ここでは禹王と儀狄が対面している場面を画いており,玉座に座る人物が禹王,階段の上で酒壺を抱えているのが儀狄とみられます。