下段の間には、宮廷の年中行事であった駒引の様子が画かれています。駒引は、毎年8月に諸国の御牧から献上された馬を内裏(だいり)に牽き入れて観覧し、左右馬寮(さうめりょう)に分配する儀式で、その際に、馬が上皇や親王、公卿などに配られることもありました。平安時代初期から15世紀まで行われ、本来、天皇の前で馬を牽き回した後に分配するものですが、第66代一条天皇を最後に天皇の出御(しゅつぎょ)はなくなり、建礼門(けんれいもん)前に式場を変更して続けられました。