北池東部の雌滝から南池に向かって苑路を進み堀割のある紅葉橋を越えると,南池中央の藤棚のある「八ツ橋」が目に入ります。南池のほぼ中央には近接した二つの中島があり,八ツ橋とさらに二つの石橋が東西の岸とこれら中島を結んでいます。これらによって南池は二つの池に分かれているように見え,その北側と南側ではそれぞれ雰囲気の違いが感じ取れます。北側には落差約1.8mある雄滝や出島があり,南側には,池沿いに100mを超える範囲で直径約10cmの玉石で敷き詰められた「洲浜」が広大な景観を展開しています。最も南には,庭園内で唯一焼失を免れた茶屋である醒花亭が端正な姿で佇んでいます。